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うれしいこと2(我那覇選手の裁判について)

我那覇選手のドーピング禁止規定違反の処分取り消しを求めた裁判の経緯です。ニュース記事はリンクを貼るといずれ消えてしまうので、覚えておきたいのもあり、細かいけどペーストしてみました。興味があれば読んでみて下さい。


2007年
4月23日 練習後、我那覇がチームドクター(当時)から点滴を受ける。


4月25日 「記事」ロイター通信
 サッカーのJリーグ1部川崎フロンターレ所属のFW我那覇和樹(26)が25日、ドーピング(禁止薬物使用)に関する規定に違反したことが明らかになった。インフルエンザを患っていた我那覇は23日、クラブの医師から、「にんにく」の静脈への注射を受けたが、これがJリーグの規定に反した。我那覇が受けた点滴に禁止薬物は含まれていなかったが、国際サッカー連盟(FIFA)の規定に沿う形でJリーグも静脈への注射を禁止していた。処分については、Jリーグの反ドーピング特別委員会による審議で決定するが、我那覇は処分が決定するまで試合出場を自粛することを決め、25日のアジアCL、全南戦も欠場した。


5月8日 Jリーグが点滴をドーピング禁止規定違反と認定。我那覇に出場停止6試合、川崎に1000万円の制裁金を科す処分を発表。


5月18日 Jリーグ全クラブのチームドクターが連名で質問状を提出し、点滴はドーピングに当たらないと主張。

     
8月7日 現場の医師が正当な医療行為と判断した点滴については許可申請が不要とJリーグが全クラブに通知。


11月5日 チームドクターが処分取り消しを求め、日本スポーツ仲裁機構に仲裁申し立て。

    
11月12日 Jリーグが申し立てに同意しないと表明。仲裁は不成立に。


11月14日 「記事」日刊スポーツ

 川崎FのFW我那覇和樹(27)が13日、ドーピング規定違反でJリーグから科された処分の取り消しを求め、第3者による仲裁を熱望した。同問題にかかわった前チームドクターが、日本スポーツ仲裁機構(JSAA)に仲裁を求めていたが、Jリーグが合意せずに不成立。しかし、我那覇は仲裁の場で決着させたいと、涙を流しながら初めて意思表示を行った。
 突然の告白だった。我那覇がこの日の練習後、心境を打ち明けた。
 我那覇談「自分の気持ちとしては、仲裁の場で真実を明らかにしたい。チームが僕のことを思って、(問題を)終わらせたいのは分かるけど、サッカー選手を引退した後、汚名を抱えたまま生活していくのは苦しいですから。」
 後藤前チームドクターが、JSAAに処分の取り消しを求める申し立てを行っていたが、12日にJリーグは「本件はJリーグと(制裁を科した)我那覇選手、川崎Fとの間で解決済み」として仲裁申し立てに合意しないと回答。川崎Fは事前に本人の意思を確認し、処分を受け入れて、事態を収束させる方向でまとまっていた。だが、我那覇は「納得できないでモヤモヤしていた。この場で言わないと、一生後悔すると思ったので発言しました」とコメント。12日午前に、チーム側に意思を伝え、マネジメント事務所関係者を交えてクラブハウスで会談していた。
 川崎Fは7日に、仲裁申し立てをしない理由を公表。申し立てた場合、国際サッカー連盟(FIFA)、世界アンチドーピング機構(WADA)から我那覇に独自の追加処分(出場停止1~2年)が下される可能性があるとし、我那覇のために、リスクを避けると説明してきた。
 しかし、我那覇は「僕はそれ(出場停止)を覚悟してやっていきたいと思う。チームと対立はしたくない。チームが意見を聞いてバックアップしてほしい。もう1度、仲裁の場があればいいし、白黒はっきりさせたい」と続けた。話しているうちに涙を流し、声を詰まらせながら、自分の考えを絞り出した。
 我那覇の代理人と、クラブ首脳はこの日午後に会談を持った。しかし、我那覇側が具体的にどういうアクションを起こすか結論は出ないまま。方向性が決まり次第、クラブ側が対応を協議する。前チームドクターの個人的な名誉回復に転化していたと見られていた問題が、我那覇の発言で急展開する可能性が出てきた。


11月15日 参院文教科学委員会でこの問題が取り上げられる。

 
11月21日 Jリーグ、日本サッカー協会が文科省に事情説明。


12月6日 我那覇が処分取り消しを求め、第三者機関への仲裁申し立てを表明。


12月6日 「記事」iza

 J1川崎のFW我那覇和樹(27)が5日、東京都内で記者会見し、「自分はサッカーを裏切ることをしていない。真実を明らかにしたい」と訴え、ドーピング禁止規定違反で処分を受けたことを不服として第三者機関に仲裁を申し立てる意向を表明した。我那覇は日本スポーツ仲裁機構を希望している。ただ、Jリーグ側はスイス・ローザンヌに本部を置くスポーツ仲裁裁判所(CAS)に申し立てれば、仲裁に合意する意向を示しており、今後の調整が必要になりそうだ。
 我那覇との一問一答は次の通り。
 「5月8日に処分をうけてから今日まで状況の変化があった。自分としては終わった問題ではなく自分が受けた治療が果たしてドーピングなのか真実が明らかになってほしい。自分はサッカーを裏切るようなことはしていないし、家族やサポータに胸を張ってサッカーを続けてやれるよう真実を明らかにしたい」
 --今の心境は?
 「いろいろ考えた。家族にも相談し不安がないといえばうそになるが弁護士さんを信頼するしかない。1日も早くすっきりしてプレーしたい」
 --心境の転換期は
 「チームからは『終わった問題として前向きにに理解してがんばっていこう』といわれたが、自分がドーピングしたとはとても思えなかった。(元チームドクターの)先生の申しだてが門前払いされて最後は自分がこういう形でやるしかないと(思った)」
 --家族は何と
 「最近、息子が『(将来は)サッカー選手になりたい』といってくれて息子のためにも胸を張ってやっていきたい。妻からも最初から信用してもらい応援もしてくれていて『一緒にがんばろう』といってくれた」
 --前ドクターの(処分の取り消しを求めた仲裁の申し立て)行動に対しては
 「前ドクターはチームメートから慕われ一生懸命(体を)みてくれてとても感謝している。自分への処置は決してドーピングでなかった。今回行動を起こしてくれてありがたかった」


12月13日 我那覇とJリーグがCASでの仲裁に合意。
  

2008年
4月30日 CASが聴聞会を開催(5月1日まで)。


5月27日 CASが我那覇の申し立てを認める裁定を発表。

「以下記事」時事通信
 サッカーの元日本代表FWでJリーグ1部(J1)川崎フロンターレの我那覇和樹選手(27)が、Jリーグから科されたドーピング禁止規定違反の処分取り消しを求めスポーツ仲裁裁判所(CAS、本部スイス・ローザンヌ)に申し立てた仲裁で、CASは27日、「我那覇の行為はいかなる制裁にも値しない」と我那覇側の主張を全面的に認め、出場停止6試合の処分を取り消す裁定を下した。また、Jリーグには我那覇が負担した弁護士費用などのうち2万ドル(約210万円)を支払うよう求めた。
 我那覇は昨年4月、風邪で体調を崩した際に当時チームドクターだった後藤秀隆医師から禁止薬物を含まない生理食塩水200ccの静脈内注入(点滴)を受けた。Jリーグはこれをドーピングと判断、我那覇に公式戦の出場停止、川崎に制裁金1000万円を科した。
 CASは裁定の中で、後藤医師の治療は2007年の世界反ドーピング機関(WADA)規定に照らして正当な医療行為と認定。また、Jリーグが「適切な医療行為」の基準について詳細な条件を明示していないといった手続き上の不備も指摘。その上で「違反があったかどうか判断する必要もない」とした。
 裁定を受けて我那覇は、「最高の結果を得られてうれしい。自分を信じてやってきて本当に良かった」とのコメントを発表。記者会見した我那覇の弁護団は「正当な判断が下されたのは当たり前とはいえ、有意義なことだ。Jリーグは我那覇や後藤医師に償い、名誉回復をしてもらいたい」などと述べた。

読売新聞
「本当にいい結果が出てよかった」−−。27日に出たスポーツ仲裁裁判所(CAS)による裁定で、ドーピング禁止規程に違反したとして出された出場停止処分が取り消されることが決まったJ1川崎フロンターレの我那覇和樹選手(27)。
 日本のサッカー選手がCASで争う初の事例として注目された今回のケースで、元日本代表のストライカーは、望み通りの裁定を受け、静かに喜びを表した。
 「長く苦しい道のりだった」という言葉通りの1年だった。風邪の症状の緩和のために点滴を受けたことが違反と判断され、公式戦6試合出場停止となったのが昨年5月。処分は受けたが、その後、日本アンチ・ドーピング機構の会長が条件付きながら、「違反とはみなされない」との判断を示していた。
 処分取り消しを求めて提訴しても、再び「クロ」と判断された場合は、出場停止期間が延びる危険もあったが、我那覇選手は昨年12月、第三者機関への仲裁申し立てをする意向を表明した。理由は、「サッカーを始めた息子のためにも胸を張ってやっていきたいので」。先月30日から東京で2日間行われたCASの聴聞会では、「サッカーを裏切ることはしていない」と英語でスピーチして、申し立てを認めるよう訴えた。
 国内ではなく、CASでの判断となったことで、通訳代などがかさんだが、ファンによる募金などの支援も得た。「周りの人たちのご支援のお陰でここまで来られた」。我那覇選手の言葉に、実感がこもっていた。

毎日新聞
 CASの裁定を受け、我那覇側代理人の弁護団4人が27日、東京都内で記者会見した。弁護団長を務める望月浩一郎弁護士は「我那覇選手の潔白が明らかになり、大変有意義な決定だ」と評価したうえで、「選手本人の名誉回復措置など、裁定結果を尊重して誠意ある対応をしてほしい」とJリーグに求めた。
 弁護団は、ドーピング(禁止薬物使用)違反に関するJリーグの規定が「あいまい」と指摘。選手会やチームドクター、外部有識者の意見を踏まえて明確に規定するよう要求した。また、「我那覇側の言い分を十分に聞かず、一方的に処分を決めたり、弁明の機会について事前に告知しないなどJリーグの組織としてのあり方にも問題があった」などと批判した。弁護団の一人は「刑事裁判で言えば無罪と同じ。えん罪という表現もできる」と厳しい口調で語った。
 弁護団によると、我那覇は今回の裁定と日本代表のパラグアイ戦が重なり、「試合に水を差したくない」との理由で記者会見への出席を辞退した。また、せめて裁定の発表時間を試合から遅らせるよう、CASに連名で要請することをJリーグに打診したが、断られたという。
 一方、昨年4月、我那覇に静脈内注射を施した川崎チームドクター(当時)も個別に会見した。「当然の結果が出て良かった。自分が受けたプレッシャーの何倍も感じながら立ち上がった我那覇選手の勇気に感謝したい」と話した。

時事通信
 スポーツ仲裁裁判所(CAS)の論理は単純明快だ。点滴は後藤医師のプロとしての専門的な診断に基づいて行われた。それは当時の世界反ドーピング機関(WADA)規定に照らすと正当な医療行為に該当する。極めて明確に認定した。
 だが、法治国家の常識では当然の結論を得るのに費やした時間は1年以上。しかも、CAS裁定という最終手段によってもたらされた。ここに日本サッカー界が抱える問題の本質がある。
 Jリーグは2007年のWADA規定改定を把握していたのだろうか。後藤医師が起こした日本スポーツ仲裁機構(JSAA)への申し立てを拒否した本当の理由は何か。CASは、我那覇が支払う弁護士費用などの一部をJリーグに負担するよう求めた。そんな疑問を微妙に感じ取ったからこそ、Jリーグに苦言を呈したのだろう。
 後藤医師は、JSAAへ仲裁を申し立てるに当たりチームドクターの職を失った。我那覇は、チームの当初の意に反する形でCASへの提訴に踏み切った。代理人の一人、上柳敏郎弁護士は「ここまでこれたのは日本サッカー界の力。周りの人からいろいろな協力を頂いた。そういう人たちがサッカーを作っていると思う」と話した。
 今回の争いで完敗したJリーグは、コメントさえ出さなかった。望月浩一郎弁護士は「Jリーグは理性も知性もあると信じている」と述べた。Jリーグと日本サッカー協会は、この強烈な皮肉をどう聞くのだろうか。

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コメント (2)

kurione:

今回の結果は、我那覇選手と彼を支えたスタッフ、サポーターが力を合わせて攫んだ勝利ですね。
おめでとうございます。
というか、当然の結果、と言うことでしょうか。

私自身は、ドーピングについては詳しくはわかりませんが、風邪をひいたり体調が悪かったりした時にさえ、自由に薬を飲んだり、治療を受けたりできないアスリート達が気の毒でなりません。

tt:

ドーピング検査の対象にランダムで選ばれた選手は、
試合終了直後に別の部屋に隔離されて、
おしっこが出るまで外に出られないらしいです。

今はどんな競技でも興行的な側面なしでは成立しないから、
ドーピングが問題になってしまうのも必然だと思います。
何にしても一番の被害を被るのは、
団体や協会などの組織でも、我々観戦者でもなく、
選手自身です。
それを思うとkurioneさんと同じく本当に気の毒な気持ちになります。

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